借金問題にも認知症の影

借金問題というのは、数の増減はあるにしても今も昔も変わらず存在しますが、
最近になって借金問題にも高齢化が影を投げかけるようになってきました。

 

というのも、親が認知症になったあとに借金していることがわかった、
というケースが出始めています。これからもっと増えてくるかもしれません。

 

親が認知症になってしまったことだけでもさまざまな負担が生じるのに、
さらに思いもしなかった借金問題があることが分かったら、
どうしていいか分からずもんもんと悩み込んでしまうかと思います。

 

でも、僕らが知らないだけで、正当な手続きで借金を解決する方法があります。
もちろん、子供が返済をしいられることもありません。

 

借金問題の悩みはかなり軽くなると思うので、
どういった内容なのか次から詳しく説明していきたいと思います。

 

そもそも子供が親の借金を返済する義務はない

知っている人も多いと思いますが、基本的に、
子供が親の借金を返さなければならない義務はありません。

 

親の借金の保証人や連帯保証人になっている場合は話が変わってきますが、
そうでなければ、親の借金にいっさい子供は関係ありません。

 

なので、貸金業者などから連絡があっても無視しておけばいいのですが、
悪質な業者であれば弱みにつけ込んで何をするか分かりません。

 

ただ、仮にそういった業者の圧力がないとしても、
できれば親の借金を整理して身軽になりたい、と思うのが家族の本音だと思います。

 

親の代理人となって借金を整理できる

借金は、親と貸金業者の間の契約なので、本来、そこに子供は介入できませんが、
ある制度を使うことで親の代理人となることができます。

 

「成年後見制度（せいねんこうけんせいど）」という制度なのですが、
認知症や知的障害などによって判断能力が十分でない人のために、
成年後見人（代理人）が補うことができる仕組みです。

 

家庭裁判所に申請する必要がありますが、成年後見人に認められれば、
親に代わって借金の整理（債務整理）をすることができます。

 

「でも、たとえ成年後見人に認められたとしても、借金先の業者と交渉するなんてムリっ！」
と思うかもしれませんが、その点も心配いりません。

 

法律専門家に任せて親の支えに専念

こういうケースに強い味方になってくれるのが弁護士や司法書士などの法律専門家です。
成年後見人はなにも家族でなくても、法律専門家でもなることができます。

 

それに、親に代わって債務整理を行う場合、借金の取引履歴を調べることひとつとっても、
なかなか難しいことです。というか普通の人ではまずムリな注文になります。

 

弁護士や司法書士などを活用すれば、業者と窓口はすべて専門家がやってくれます。
（業者が直接、親や家族に連絡することは法的にできなくなります）

 

また、特に高齢者の場合は、借金をしていた期間が長いことが多いので、
大きな過払金が発生していることも少なくありません。

（過払金についてはこちらのページで解説しています）

 

取引履歴を調べることで、借金を減らせることは珍しいことではなく、
場合によっては、帳消しにできたり、もっと言ったら、払い過ぎたお金が戻ってくる
可能性もあります。

 

もしそうなれば、今後、親を支えていく費用として役立てることもできます。

ただただ借金を整理できさえすれば御の字なのに、
お金が戻ってくると言われても信じられないし、ちょっと驚く人もいるかもしれませんが、
現在の債務整理手続きでは珍しいことではありません。

 

いずれにしても、認知症の親を支えることに専念するためにも、
借金という降ってかかったわずらわしい問題は、債務整理のプロに任せるのがベストだと思います。

 

匿名無料で法律専門家に借金相談できるサービス

 

 

関連ページ

• お金を払ってでも弁護士に頼んだ方が得な理由