自己破産しても免責されない借金

自己破産の免責でも、支払わないといけない借金

サイゾウ

 

このページでは、自己破産の免責が認められても、支払わなければならない借金があることについて解説しています。

 

借金から解放されることで知られている免責ですが、実は正確に言うと、ありとあらゆる借金がゼロになるわけではありません。免責ではあまり知られていない事がわかります。


非免責債権って知ってますか?

自己破産で免責が認められると、「すべての借金がゼロになる」というのが
常識に思われているので驚く人もいると思いますが、

実は、免責決定が出たとしても支払い義務がなくならない負債があります。

 

それを法律用語で「非免責債権(ひめんせきさいけん)」と言うのですが、
あまり知られていません。

 

借金に追い詰められて自己破産する場合は、その支払いも滞納していることが多いので、
予期せぬ落とし穴として待ち受けていることになります。

 

支払い義務がなくならない負債って何?

こまかい説明は後に回すことにして、まずは免責が認められても
支払い義務がなくならない借金を一覧で見てみたいと思います。

 

  1. 税金(の滞納)
  2. 健康保険料、国民年金保険料などの公的な保険料(の滞納)
  3. 不法行為に基づく損害賠償
  4. 養育者や扶養義務者として負担しなければいけない費用(子供の養育費、月々の生活費など)
  5. 罰金
  6. わかっていながら借金一覧に載せなかった借金

 

税金や公的保険料などの支払いは、自己破産をしても免責されないので
破産手続き終了後も役所などから支払いの督促が来ることになります。

 

これらの支払いをしないと、健康保険が利用できなくなり自腹になったり、
国民年金保険料を支払わないと、将来年金を受け取ることもできないおそれもあります。

罰金を支払わないと、なんと労役場に留置されて労役を課されたりすることもあります。

 

また、破産手続き終了後、財産を得ることもありますが、
税金を滞納したままだと、その財産を差し押さえられる可能性もあります。

 

納税は国民の義務なので免除してくれないという厳しい現実

所得税や住民税といった税金は、上で説明した通り、滞納していても
破産したからといって滞納分が消えてなくなることはありません。

 

これは、専門的に言うと、破産法253条1項がその根拠になるのですが、

少し乱暴に言うと、納税は国民の義務なので、いくら自己破産したからといっても、
免除しませんよ!という厳しい扱いになっています。

 

税金の滞納分は、破産手続きとは関係なく、役所の担当者と交渉して
支払える範囲で支払っていくことが多いです。

 

もし、度重なる請求があったにもかかわらず無視していると、
裁判に訴えられることになり、その場合は免責を受けていても、
滞納していた税金は支払わなくてはなりません。

 

それでもなおシカトしていると、差し押さえなどの強制執行が行われる
かなり厳しい扱いになっています。

税金や保険料を支払えないときの対処法

税金や健康保険料、年金保険料などが支払えないときには、
とにかく所轄の役所と話し合って分割払いなどの話し合いをする姿勢が大事です。

 

督促状が届いたら、そこに書いてある連絡先に電話などで連絡を入れ、
自分の状況を説明して、まずは支払う意思があることを示すことがムチャクチャ重要です。

 

その上で、支払える範囲で分割払いででも支払っていく旨の約束をして、
その通りに支払いを継続しましょう。

 

きちんと分割支払いの約束を守っている限り、役所側も突然差押をすることはありません。
合意にもとづいて支払いを終えれば、健康保険も利用でき、将来年金を受け取ることもできます。

 

とにかく、税金や保険料の滞納からは逃れられないわけなので、
誠実に役所と話し合っていく姿勢を忘れないようにしたいです。

 

担保がついているものも要注意

担保がついているものについては、自己破産で借金が帳消しになったとしても、
担保はそのまま残ることになるので、いずれその資産は処分されてしまう運命にあります。

 

例えば、不動産に担保がついている場合、自己破産しても抵当権はそのまま残るので、
もし買い手が見つかれば売られてしまうことになります。

 

 

以上のように、借金から解放されることで知られている自己破産の免責ですが、
ありとあらゆる借金がゼロになるわけではないのが実情です。

 

 

 

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