10人いれば10人の事情がある

借金問題に苦しんでいる人が、「家族に知られずに内緒で債務整理したいんだけど」
と発言しているのを聞いたら、
たいていの人が「ちょっと内緒は良くないんじゃないの？」と思うのが普通です。

 

弁護士などの法律専門家に相談しても、
「そういう人は多いですよ。でも、できれば家族には伝えた方がよいと思いますが、
内緒にしたければそれでも構いません」と言われるのがオチです。

 

でも、借金を抱えた人には様々な事情があるので、
一般的な考えをあてはめられないケースはごまんとあります。

 

なので、このページでは、家族に内緒にすることの良し悪しの議論は横に置いて、
家族に知られずに債務整理することができるかどうかの点にフォーカスしたいと思います。

 

債権者の存在を排除する

債権者から督促の電話や郵便が届いて借金が家族にバレるのと同じで、
債務整理の場合でも、家族に知られてしまう原因は、
圧倒的に債権者からの何らかのアプローチがきっかけになります。

 

でも、債務整理手続きを弁護士などの専門家に依頼すると、
弁護士が債権者に対して、「今から弁護士が介入して債務整理を行います」、
という内容の受任通知を送ってくれます。

 

それを受け取った債権者は、以後、
僕ら債務者に直接連絡をとってはいけないことになっています。
連絡はすべて弁護士を通じないといけません。

 

なので、基本的に債権者からの連絡や支払いの督促が来ることはなくなり、
債務整理の手続きも弁護士が債権者との窓口になってくれます。

 

また、個人再生のように債務整理の手続きによっては、
裁判所からいろいろ書類が送られてきますが、
すべて弁護士もところに送られてくるので、その点も大丈夫です。

 

以上のように、債務整理を法律専門家に依頼すれば、
家族にバレやすい要素になる債権者の存在を排除することができます。

 

弁護士との連絡手段にも工夫を

家族に内緒で債務整理したい場合、もう一点注意したいことがあります。
それは、自分の味方とも言うべき弁護士などとの連絡手段です。

 

債務整理手続きの最中には、弁護士から電話がかかってきたり、
手紙が届くこともあります。

 

弁護士や警察のような、権力の象徴みたいなところからは普通、連絡を受けないので、
不審がられてバレるのが目に見えています。

 

なので、電話は必ず自分の携帯電話にかけてもらうことや、
郵便物は法律事務所の名前の入っていない普通の茶封筒を使い、
差し出し人は弁護士の個人名にしてもらうなどの工夫が必要になります。

 

弁護士に債務整理を依頼する際に「家族に秘密で債務整理したい」という希望を伝え、
電話や郵便のやりとりについて事前に取り決めておくと良いです。

 

ただ、普段、郵便物を受けとることがない人の場合は、
郵便物が届くこと自体がバレてしまう要素になってしまいかねないので、
弁護士のもとへ取りに行くなどの対応をすり合わせておく必要があります。

 

どうしても避けられないリスク

事前の手をうてば、基本的に家族に知られずに債務整理は可能性ですが、
サイゾウが唯一これだけは防ぎようがない、と思っていることがあります。

 

債務整理をしようとする全ての人に該当するわけではないのですが、
個人再生手続きを選択した人の一部にあてはまる可能性があります。

 

どんなことかと言うと、親などの身内から援助資金を振り込んでもらった場合です。

 

個人再生手続きでは、再生委員経由で裁判所にさまざまな書類を提出する必要がありますが、
その中に預金通帳も含まれます。

 

再生委員は預金通帳の履歴もしっかりチェックするので、通帳を見て、
「◯年◯月◯日に、◯◯から20万円の振り込みがありますが、これはなんでしょうか？」
と当然のように質問が飛んできます。

 

ウソを言うことはできないので、親からの援助ですという事になると、
「裁判所に説明する必要があるので、親に一筆書いてもらってください」
と言われるのが必至です。

 

そういった流れになると、もはや親に内緒で、とはいかなくなります。

 

現金で援助してもらった場合には、発覚しようがありませんが、
通帳などの記録に残るものが存在すると、このような事態を招くこともあります。

 

 

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