そもそも整理屋って何？

整理屋とは、借金で困っている人を勧誘し、お金をだまし取る違法な業者です。

 

「債務整理してあげます」「格安で借金問題を解決出来ます」「弁護士を紹介出来ます」
などの甘い言葉で近づき、弱みにつけこんで巧みにお金をだまし取ります。

 

人間は悩んで頭がいっぱいになっていると、
ワラにもすがる思いで目の前のオイシイ話に飛びつきたくなります。
その心理を利用して、整理屋は債務者からお金をだまし取っています。

 

どんな手口をつかう？

整理屋の手口は様々です。
たとえば、「返済の代行をしますよ」と言って、債務者から月々お金を支払わせます。
ですが、実際に返済に充てているのはごく一部で、
ほとんどの金額は整理屋のモノにしてしまうという手法です。

 

他には、「いい弁護士を紹介しますよ」と言い、債務者に弁護士費用を支払わせます。
ですが、受任通知を送るだけで実際には手続きが進んでおらず、
延々とお金を支払わせるという手口もあります。

 

「まだ手続きに時間がかかりますから」「もう少しこの手続きに弁護士費用が必要になるので、
支払いは続けてください」などあれこれ理由をつけて、お金をだまし取り続けます。

 

整理屋とグルの弁護士がいる

整理屋につかまってしまった場合でも、受任通知が送られることがあるので、
「受任通知が送られるってことは、一応弁護士はついているんじゃないの？」
と思う人がいると思います。

 

確かにその場合は、弁護士が関わっていることがあります。でも、

整理屋と提携しているのは悪徳な弁護士なので、
いくらお金を払っても借金問題を解決してくれません。

整理屋と手を組んで手数料を受け取っている、整理屋の仲間と言えます。

 

弁護士と聞くとつい信用してしまいそうになりますが、絶対に頼りにしてはいけません。

 

どうやって見分ければいいの？

まず第一に、弁護士や司法書士でもないのに「債務整理します！」
と言い寄る業者は間違いなく整理屋です。

 

そもそも、弁護士や司法書士以外の人が債務整理することは、法律上認められていません。

なのでどんなに知識を持っていそうな相手でも、一般業者であれば簡単に信用してはいけません。

 

また、「代行して弁護士に依頼をしますので、弁護士との面談はありません」
と弁護士と会う機会を持たせないのであれば、それも整理屋だと考えられます。

 

なぜなら、弁護士には債務者から直接依頼を受けない限り、動くことはできない決まりがあるので、
面談がなければそもそも依頼が成立することはありません。

 

それなのに、「弁護士とのやり取りは、私に全てお任せください」というのは、
どう考えてもおかしい話です。

もし、「この人もしかして整理屋かも、、、？」と思ったら、
弁護士との面談があるかどうか聞いてみることが大事です。

 

弁護士代わりの事務員がクセモノ

中には、弁護士と面談をしない代わりに事務員という人を連れてくるケースがあります。

 

事務員とは、弁護士に代わって手続き諸々の説明をする人で、
巧妙な話術で債務者を安心させます。

「弁護士には会えないけど、パイプ役で事務員がいるから大丈夫」
と債務者の不安を取り払い信用させます。

 

ですが、この事務員は債務整理のプロでも何でもなく整理屋のグルです。
いくら説明が専門的だとしても、弁護士に会えない以上は信用してはいけない相手です。

 

非営利団体（NPO等）にも注意が必要

NPOなどの非営利団体が債務整理の無料相談にのってくれるケースもありますが、
これも注意が必要です。

 

「借金で苦しんでいる方を助けたい」といった理念で活動している説明を聞くと、
ついつい無防備になって信用してしまいがちですが、
世の中には人の弱みに付け込んで、利益を得ようとする悪徳者はキリがありません。

 

非営利団体とは名ばかりで、実際には無料相談を募って
高額の費用を請求する目的で近寄ってくるNPOも残念ながら存在します。
もしくは、高額の費用を請求する弁護士・司法書士を紹介し、
紹介先の弁護士から紹介料をもらうといった事例もあります。

 

NPOと聞くと世の中のために良いことをしている、というイメージが先行するので
信じがたいかもしれませんが、
実際に過去には、2014年2月、NPO法人「ライフエイド」、「こくみん救済センター」などの
名称の団体を運営していた代表が刑事告訴される事件も起きています。

 

「借金の悩みを無料相談で解決します」などとうたって多重債務者を集め、
提携した弁護士の事務所に紹介する形をとり、
弁護士の名義を借りて無資格で債務整理をしていた事件です。

 

医師免許がない人が医療行為をできないように、
弁護士資格のない人が債務整理に携わることはできません。違法行為です。
非営利団体を隠れみのに使うのも、整理屋の手口の一つとして知っておいてください。

 

もし整理屋にだまされてしまったら？

もし整理屋にだまされてしまったら、まずは整理屋への支払いを止めてください。

 

その際、整理屋から「支払ってもらわないと、借金問題解決できませんよ」
とヒヤッとする一言を言われるかもしれませんが、それは単なる脅しです。
整理屋の言葉はすべて聞き流し、支払いを止めて１日でも早く関係を断つことが大切です。

 

そして、新しい正式な弁護士に相談依頼をし、整理屋被害についても打ち明けます。
整理屋や提携先弁護士との関係を断つ手助けをしてくれるので、
相手は何も手出しができなくなります。

 

なぜなら、整理屋や提携先弁護士は偽物なので、
正規の弁護士から受任通知が届けば整理屋の方から離れていきます。

例えたら、警察官になりすまして悪さをしようとたくらんでいたら、
本物の警察官がやってくるのが見えて、おずおずと退散するのと似ています。

 

整理屋へ支払った金額が返ってくることもあるので、
正規の弁護士には包み隠さず整理屋被害を話すようにしてください。